ナミダがでた

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電源を入れる
すぐにトレーが出てくる
銀色の円盤を乗せる
すぐにトレーが吸い込まれていく

電光掲示が凛と点灯する
ボタンを押すと、いくよーと言ってるが如く
すぐに、シュルッと小さな音がする
すぐに、音楽が流れはじめる

どの流れにも、滞りや怒り、諦めはなく
ただ一筋の道がスーッと通っているが如く

あたりまえの一筋のはずながら
一筋でいかなくなったのは、もうナーン年も前
その筋すらなくなったのは、半年ほど前

一筋の道が、あたりまえにスーッと通った
ああ、ようやくだ
ああ、腹の底から、ほんとうに幸せだ
背筋がゾワゾワ騒いで、ナミダがでた

ナミダがでたのは
初プレイは絶対これ、と決めていたアノ歌が
やはり素晴らしかったのもあるけれど
イロイロ過ぎた、色々が
なにか、折々で象徴されていたからだ

ある街では
きっと一秒もかからないであろうことに
ある街では
目眩がするほどの時間がかかってしまったけれど

幸せのナミダがでた
足の裏が2帖くらいになった気分だ

2017.11.13 Monday 00:00 | comments(0) | - | 
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